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女性・様々な性差別についての学習会~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告

女性・様々な性差別についての学習会~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告 女性・様々な性差別についての学習会~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告

あんにょんはせよ!

青年会中央本部では、多様性を認め合う社会に向けて、学習会を行っています。これまでにLGBTについて2回(報告はこちら:第1回,第2回、障害について1回学習会(報告はこちら:第3回)を行いました。

今回は、4回目となる学習会のテーマ「女性を中心とした様々な性の差別、フェミニズムについて」ご報告します。

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2017年6月、刑法の性犯罪規定が110年ぶりに改正されました。

この刑法改正を後押ししたのは、性暴力に反対し性暴力被害の実情に合った刑法への改正を求める声を政治に届けることを目的するビリーブ・キャンペーンでした。

今回はこのビリーブ・キャンペーン、そして広辞苑にフェミニズムが「性別間の平等」を求める思想であることを明記する運動など、日本の女性が抱える社会問題について問題提起をしてきた、様々な性別の第4世代若手フェミニストによる社会派アートグループ、明日少女隊の隊員である佐多稲子さんをお招きしました。女性・様々な性についての差別や問題点に対する活動、性犯罪を厳罰化した刑法改正に至るまでの取り組みなどについてのお話を伺いました。

 

ピンクのマスクを付けているのが講師の佐多さんです。

このマスクはうさぎと蚕をまぜたモチーフにし、媚びないかわいさをテーマにしています。

蚕は東アジアで伝統的に女性の職業のシンボルで、うさぎもかわいい、か弱いというイメージと性欲の対象としての象徴ともされ、女性と結び付けてネガティブに使われてきた歴史があります。そんな蚕とうさぎを組み合わせエンパワーメントするモチーフに変えていこうという意味合いを込めてマスクを作成されたそうです。

 

ちなみに佐多稲子さんと言うお名前は偽名です。

女性が社会の問題について話すとフォーカスしたい問題ではなく女性の出自、職業、見た目に集中が行って女性批判の対象になり、本当に話したい問題には注目されないということがこの社会では起こっています。そこで「誰が語っているかではなく、何を問題として語っているか」ということに集中させたいという思いから匿名性のある形で活動されているそうです。

 

そしてこの「佐多稲子」さんという偽名について。

育鵬社の歴史教科書の現代史の項目で、戦後の日本を作ってきた人を紹介するページがあります。18人中、女性の紹介では「美空ひばり」さんしか登場しないそうです。戦後からたくさんの女性が活躍してきたはずですが、正当に評価されていない現代の状況があります。そこで過去に活躍したが正当に評価されていない、知られていない女性の名前をあえて偽名として選んでお使いになっています。

 

 

そんな佐多さんには明日少女隊で行ってきた主に三つのプロジェクトについてお話しいただきました。

 

まずは広辞苑プロジェクト

以前の広辞苑に記載されていた「フェミニズム」、「フェミニスト」に対する攻撃的なイメージを与える定義が6500筆を超える署名活動の末、「フェミニズム」について「性別間の平等」を求める思想であることを明記した定義に変わりました。

詳細はこちら⇒https://goo.gl/dXXo79

また岩波書店が開催する広辞苑大学イベントが開催されていた近くの芝生で「おでんを食べながらフェミニズムの定義について語るピクニック」という会を開催されました。

この活動については韓国でも辞書の定義を変える運動が行われたことがあり、ジャージャー麵を食べて抗議活動をするというところからインスパイアされて開催されたとのことです。

 

次にビリーブ・キャンペーン

『BELIEVEーわたしは知ってるー』は、性暴力に反対し、性暴力被害の実情に合った刑法への改正を求める声を、政治に届けることを目的するキャンペーンです。

日本の性暴力の現場では、訴えている女性の言葉を信じないということが前提となっている風潮があります。被害者の声を信じることが大事ということからビリーブとう名前を付けられたそうです。

署名5万4000筆を集め、国会議員45名に面会されるなどの活動の末、刑法の性犯罪規定が110年ぶりに改正されました。今回の改正で十分とは言えませんが、日本の社会のフェミニズムが政治や法律を一市民という立場から変えることが出来たという成功体験を生み、今後のフェミニズム運動を力づけてくれる活動となったそうです。

またデザインやパフォーマンスの力によって堅苦しい問題も親しみやすく多くの世論を喚起できるアートの可能性を感じたとのことでした。

 

最後にAgainstForgetting

AgainstForgettingは、軍事性暴力、日本軍や戦時下の性暴力について人権の問題でなく国と国の政治の切り札のように使われてしまって、いまだに声をあげられない性暴力被害者の女性たちのことを考えるパフォーマンスです。社会の中で歴史の事を学ぶ、サバイバーの女性たちに敬意を持つ、彼女たちが戦ってきたものをちゃんと次の世代につなぐという社会の意識を高めるため、日本人アーティスト嶋田美子さんとともにパフォーマンスを行ったそうです。

明日少女隊では、アート業界の性差別、セクハラをなくすプロジェクトを展開されています。

ぜひご覧ください。詳細はこちら⇒https://tomorrowgirlstroop.com/notpurprisedjp

佐多さんは「私たちはフェミニズム専門のアカデミアではない『普通の人』だが、アートなど多くの人に伝わる表現を探せる強みを生かした活動の仕方を今後も突き詰めていきたい」と話していました。

明日少女隊では学生、研究者、非正規雇用者、子育て中など、いろんな立場の方が活動しています。専門家ではない、いわゆる『普通の人』が知っていることを誰かにシェアし、エンパワーメントしながら、アートを通じて温かく力強くフェミニズム運動を展開しています。

一人一人の『普通の人』の力を巻き込むということが、刑法改正や広辞苑の定義改訂など、社会を動かす大きな結果につながるということを学びました。

多様性を認め合う社会の実現に向けて、大きなムーブメントを生み出すことの可能性を感じました。

 

学習会の最後には、質疑応答が繰り広げられ、熱いディスカッションが繰り広げられました。参加者と身近な話や社会問題を話したり、テーマ内容について、考える時間となりました。

学習会当日の様子は、青年会FBライブでも公開していますが、参加されている方の熱量はやはり違います。

また、次回の学習会を楽しみにしたいと思います♪

青年会の学習会は10月開催予定です。

また改めてご案内いたしますので、是非皆さまご参加ください。

どんなテーマかは、お楽しみに!!

 

(青年会中央本部)

 

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