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自由が丘で(2014)

自由が丘で(2014) 自由が丘で(2014)

アンニョンハセヨ!

先日のカンヌ国際映画祭では映画「別れる決心」のパク・チャヌク監督が監督賞を、是枝裕和監督の映画「ベイビーブローカー」の主演ソン・ガンホが韓国人初の主演男優賞を受賞するなど、韓国映画はますます盛り上がりを見せています!この2作品については、後日、鑑賞後にこのブログで取り上げたいと思っています!

 

ちなみにカンヌ国際映画祭とは世界で最も有名な国際映画祭の一つです。ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と共に世界三大国際映画祭の一つに数えられます。そこで今日はカンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭に何作品も送り出し、多くの賞を受賞している韓国映画の巨匠、ホン・サンス監督の「自由が丘で」という映画をご紹介します。

 

あらすじですが…

昔の恋人クォン(ソ・ヨンファ)に会うため、韓国に訪れた日本人男性のモリ(加瀬亮)。しかしモリはクォンを探すも、なかなか彼女に会うことができません。モリは滞在するゲストハウスの主人(ユン・ヨジョン)やその甥っ子(キム・ウィソン)との交流を、そして自由が丘という名のカフェを経営している女性ヨンソン(ムン・ソリ)との行きずりの恋などを、まるで韓国滞在記のように手紙にしたためます。その手紙は人伝いになんとかクォンの元に届くも、手紙は間違ってバラバラになってしまい、モリの韓国滞在記の順番はバラバラになってしまいます。果たしてモリはクォンに出会うことができるのでしょうか。バラバラになったモリの手紙のように、映画自体も時間軸がバラバラに進んでいきます…

 

ホン・サンス監督の映画スタイルは特徴的です。主に長回しを多様に使い、まるで登場人物の心理を探るようにズームインも果敢に行います。そして驚くような事件が起こるわけでもなく、淡々と日常を描き、恋愛というものをユーモラスに表現します。ユーモラスと言っても映画に出てくる登場人物自体は恋愛に対して非常に真剣です。真剣に愛し、失恋し、そしてまた恋をします。そんな真剣な様子を監督の視点により客観的に見せられると、それがどんどんユーモラスに見えてくるのです。しかし、登場人物に共感できる経験を持っている観客からするとユーモラスには見えないかもしれません。チャップリンの名言、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇」という言葉を思い出させます。

そしてホン・サンス監督の映画はカメラワークがすごかったり、カット割が斬新であったりなど、技術的に難しいことは行っていません。しかし役者から上手に演技の凄みを引き出し、それを丁寧にカメラに収めているのです。いつも低予算な映画を作りますが、出てくる俳優陣は豪華ですし、ほぼ毎年1〜2作品は撮る多作な監督でもあります。そのような手腕が評価されているため、国際映画祭の常連となっているのでしょう。

 

とはいえ、ホン・サンス監督の映画は大衆向けの映画とはちょっと一味違います。初見の人からすればちょっと難しいかもしれません。今回ご紹介した「自由が丘で」は日本人の役者である加瀬亮が出ていますし、ついでに韓国旅行気分も味わえます。ですので、ホン・サンス監督の作品を見始めるのにちょうど良い作品ではないかと思います。

 

今回はここまでです!

それではまた次回!

 

ジニュン