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日韓ダブルの育て方

日韓ダブルの育て方 日韓ダブルの育て方

アンニョンハセヨ、インジュです。
今月から産休に入りました。
私の勤務先の業界は他と比べて産休が長くとれる上、更にあまった有給休暇を付け足したので、かなり早くから取得しています。
なのでSNSで同じくらいの週数の妊婦さんがまだ働いている様子を見ると、非常に肩身が狭かったりします…

韓国は日本と出産前後休暇の日数はあまり変わらないのですが、育児休暇の期間が会社によってだいぶ違うようです。
法律では1年以内と決められていますが(日本では法改正で子が2歳になるまで)なかなか長くはとれないといい、そもそも非正規雇用の場合は取得自体ができなかったりと、出生率の低い理由が垣間見えます。
男性の育児休業も含めて、もっと理解が進んでいってほしいものです。

どんどんお大きくなるお腹を抱えながら、少しずつ出産準備を進めています。
見た目ではわからないとしても、いわゆる日韓ハーフ(ダブル)として生まれるわが子。
私とはまた違うケースで、異なる感覚を持つのだろうなあと思います。

ちなみに韓国ではいまだに「혼혈(混血)」と呼ばれます。
その表現は抵抗があるなあと思っていたところ、ニュースを見ていると「多文化家庭2世」という言葉がちらほら。これは良いと思ったのですが、あまり浸透してはいないようです。

ソウルで子育てをする日本人のお姉さんに尋ねてみたら、「お父さんが韓国人でお母さんが日本人ですと説明する」とのこと。
別の友人には「日韓カップルの子どもですと言うと良いよ」とすすめられました。
なるほど~。でも「混血」に変わる言葉が登場してほしいなあ。

上記のお姉さんは4歳の日韓ハーフ(ダブル)のY君を育てるワーキングママです。
大学で日本語を教えており、Y君もバイリンガル教育を実践中。最近は両方を上手に使い分けているそうです。

私も子どもは簡単な日常会話くらいは韓国語でできるようになってほしいなと思うところ。
先日、久々に長電話していろいろおしゃべりした時に、そのコツも聞いてみました。

お姉さんが徹底していたのは「ママとは絶対に日本語」という方針。
Y君が「먹기 싫어!」と韓国語で答えてもくじけず、「食べたくないのー?」とそのつど日本語に言い換えたと言います。
パパがいても他の韓国の家族がいても、Y君とは絶対に日本語。親戚の集まりで「こういう場所で日本語はやめなさい」と小言を言われてもスルー。「面倒くさがらずに続けること」がポイントだと言います。

私はこんなに徹底的にできる自信はなく、でも中途半端だと身につかないだろうし、難しいですね…

他にも、韓国で日本人家族の集まりを作って日本語を話す機会を作ったり、日本帰国の時に毎回会う友達を作って楽しい思い出を増やしたり。
その結果、Y君は最近何かと「日本に住みたい!」と言っていてちょっと困っているんだとか(笑)

日本語教育のプロ相手なので言葉の話が中心になりましたが、アイデンティティーについても語り合いました。

Y君は「僕は日本人で韓国人」「名前が2つでパスポートも2つ」、今はそんなふうに受け入れていると言います。
でも成長していくにつれてどう変わっていくか。
お姉さんが言うには「日韓の場合、政治や歴史の問題などがあり、壁にぶつからない人はいない」。だから「いろんな意見・見方がある」と教えていきたいといいます。

そのためには日韓だけでなく他の国も見せて視野を広げること、そして同じような子たちとのネットワークを作ってあげたいと言っていました。
それは確かにとても心強い。
私も小さい時は周囲に日本人しかいない環境で育ったので、同じような友達がいたらどんなに良かったかと思うからです。
Y君や生まれてくる私の子どもを含めてゆるやかなコミュニティーを作っていこうと話し、わくわくしてきました。

子どもには「2つの文化を持っていることはラッキー」と肯定的に思ってもらいたいです。
夫は、もし子どもが悩んだら1枚のピザで2種類選べる「ハーフ&ハーフ」を頼もうと言います。「2つの味を楽しめてお得だよ」と言うんだそう。
悩む度においしいピザを食べられるのだとしたら楽しいかもしれないと、まずは気楽に構えていこうと思っています。

訳:一生懸命成長しています!
  生まれるまであと45日
  235日目9ヶ月(33週4日)

 

(アン・インジュ)

1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。日本の全国紙に勤務中。