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 あんにょん!

 

ん?

なんか言いなれないからこっちの方が良いか。

 

こんにちは!

私はあんにょんBookの水先案内人の金村詩恩です。

日本国籍を取った在日コリアン3世で普段は文章を書いて生活しています。

 このブログでは様々な本の紹介をしていきます。

 

 よく「本を読んでいる人は友達が居ない。」なんて言われます。

私は小さい頃から図書館に通って、様々な本を借りる生活をしていました。

そんな私を知っている学校の先生から「友達を作ってみれば?」なんて言われたこともありました。

こう見えても友達は居るんです。

でも、本を読むこととはまた別なんです。

 

 私は歴史の本や古典を読むのが好きでした。もともと歴史が好きだったということもありますが、それ以外にも理由があります。

 小さい頃、三国志が好きで毎日、三国志の本を読んでいました。本を開くと私たちが出会えない2000年前の人たちの言葉がそこにあるではないですか。

 時空を超えて、言葉を通して、2000年前の人たちに私は出逢っていたのです。

 本は時空を超えるだけではなくて、国境だって超えてしまいます。

 

最近、『あるデルスィムの物語―クルド人文学短編集―』という本を読みました。かつてトルコで起きたクルド人虐殺の事件をテーマにした文学短編集です。

この本を読んで「ああ、ここにも友達が居たのか。」という気分になりました。

 

私の父方の祖母は済州島出身です。

どうしてだか自分の昔話をしないまま亡くなってしまいました。

 

 かつて済州島では4・3事件という悲しい事件がありました。

そのできごととこのクルド人の虐殺事件が私の中で重なったんです。

そして、祖母が昔話を語らない理由がクルド人文学を通して、ぼんやりと見えてきたのです。

 

 こうやって本を読めば、ドラえもんが居なくてもタイムマシンにも乗れるし、どこでもドアを使うことだってできます。

 だから、本を読む人は孤独ではありません。

本を通してタイムスリップしたり、言葉や場所を超えて誰かと出会っているのですから、目に見えない友達は多いんです。

 そんな目に見えない友達は自分が危ない目にあったとき、何か大切なことを教えてくれます。

 

かつてフランスで学生運動があった時代、

学生たちはマルクスと哲学者のミシェル・フーコーの本を読んでいたそうです。

彼らは世の中を変えたいと思って、その本を手に取ったのでしょう。

 

 フーコーの本は私も読んだことがあるのですが、とても難しい本です。何度も読み返していた記憶があります。

 「2度目の旅が本当の旅だ。」という言葉があります。

本だってそうです。1度だけでは分からないから2度、3度読んで、ようやくぼんやりと意味が見えてきます。

難しい本を読んで、「分からない」ことに怯えなくても大丈夫です。

 「ことのは」に出会うのはタイミングですから。

 

 実は最近、友人の招きで京都と大阪へ旅をしました。

招いてくれた友人の講義を聴きに来たのですが、私には別の目的がありました。

それは金時鐘さんの詩集『猪飼野詩集』舞台になった鶴橋に行くことです。

 

 そして、4月21日には新潟にも行ってきます。

金時鐘さんの詩集『新潟』の風を私の肌で感じたくなったからです。

 

 本は私をどこか知らないところへ誘ってくれるものでした。

 

(金村詩恩)

 

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