「関東大震災朝鮮人虐殺を顧みる追悼と人権の集い」参加後記

2017年12月26日
あんにょんはせよ~

2017年12月9日に開催された「関東大震災朝鮮人虐殺を顧みる追悼と人権の集い」に参加してきた、在日韓国青年のゆいんです。
その時に感じたことや、今後自分がすべきことなどを記したいと思います。

2.8独立宣言の地
皆さんは「2.8独立宣言」あるいは「3.1独立運動」をご存知でしょうか。
今回の行事が行われた「在日本韓国YMCA(旧・在日本東京朝鮮YMCA)」はこれに所縁ある場所です。在日韓国人として生きていく,そして在日を語り継ぐ上で,皆さんにも知識として知っておいてもらいたい場所ですので紹介しましょう。

1919年2月8日,日本の植民地化にあった朝鮮から日本に来ていた留学生の集会が開かれ,その場で独立宣言文が採択されました。それがこの地です。
独立宣言文に署名をしていた代表団11名のうち9名が逮捕されてしまったそうですが,独立宣言文はソウル(日本植民地当時は「京城」)に届けられ,同年の3月1日に発生した「3.1独立運動」に繋がるきっかけとなった。と言われています。

そういう意味で,この地は「近代韓国発祥の地」とも言えるのではないでしょうか。
我々在日の大先輩たちが,熱い想いを持って自分たちの国を持つことを夢見た。それから,そろそろ100年になろうとしています。
そのような地が東京にあるということ,ぜひ知っておいてもらいたいと思いますし,
一度足を運んで歴史に思いを馳せてみてほしいと思います。

2.8独立宣言記念碑

~在日本韓国YMCA~

歴史を保存する意義
「史実を記憶することから,記録することへ変えていく」これは今回の行事の冒頭の挨拶であった言葉です。近年,歴史修正主義・歴史否定主義が台頭してきており,その影響は無視できないものとなっています。関東大震災当時,「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの根拠ないデマが意図的に流され,戒厳令が敷かれ,無実の多くの朝鮮人が無残に虐殺されました。

今回、観賞した「隠された爪痕」というドキュメンタリー映画の中で,当時を生きた朝鮮人・日本人の証言を聞くことができました。

映画「隠された爪痕」

 呉充功監督挨拶

ともすれば目をそむけたくなる歴史の負の出来事ですが,きちんと向き合い,同じ過ちを起こさないようにしなければなりません。そのために,我々は歴史と向き合っていくべきです。

震災で亡くなった方々は天災の犠牲者ですが,そのあとの虐殺で亡くなった方々は人災の犠牲者です。人災は英知を持ち寄れば繰り返しを防ぐことができると思うのです。

ところで,この人災は過去の出来事として片付けて良いのでしょうか。
記憶に新しい2011年の東日本大震災発生後にも「根拠の無い外国人犯罪のデマ」が被災地やウェブサイト・SNSで瞬く間に広がりました。

これはとても悲しいことです。

関東大震災後の朝鮮人虐殺の教訓が生かされていないように思えてなりません。
われわれ在日も,そして日本人も,改めて過去から学び未来に活かしていくべきだと思います。

これから貢献できること・すべきこと

今回参加して思ったことは

・責任ある大人として次世代の子ども達に接すること

今回、観賞したドキュメンタリー映画内で,このような趣旨のコメントしている日本人の女性が居ました。
「朝鮮人が実際に毒を入れたりしたのかは知らない。当時は私は子どもだったから真実は分からない。でも大人たちが言うことを信じていたので,朝鮮人はとても怖い人達なのだと記憶した。」
子どものころに植え付けられた記憶が,歳を取ってもなお,このように残ってしまうのはとても悲しいことだと思います。相手が在日の子であれ,日本人の子であれ,責任ある大人として次世代に子どもたちに接していきたいと思いました。決して誤った記憶を植え付けないよう…

・日本人にとって良き隣人であること

大きな災害の後に悪意あるデマが流されたり,日常でも差別やデマを目にする機会が残念ながらあります。日本人にとって真っ当な隣人であることをこれからも続けていくことで,どんな状況であっても「自分の知っている在日韓国人は良い人だから,悪いことをするはずがない。」と日本人に思ってもらえるよう,今後の生活を送っていきたいと思いました。
いまでも真っ当に生活していると思っていますが…

(ゆいん)

 

「隠された爪跡」

~関東大震災朝鮮人虐殺記録映画~
Hidden Scars: The Great Kanto Earthquake Korean Massacre, A Documentary
日本/1983/日本語/カラー/16mm/58分
監督、構成:呉充功(オウ・チュンゴン)
撮影:藤田正美、金利明、笠告誠一郎、田島心
編集:渡辺行夫 録音:小島透
ナレーター:小沢重雄 美術:加藤武夫
助監督:鍵山隆浩、里内英司
製作:呉充功、蒲谷雄二、小島透
製作会社:麦の会 提供:呉充功

関東大震災朝鮮人虐殺を顧みる追悼と人権の集い
「94年後の今も流言とジェノサイドは息を潜めているか」
2017年12月9日(土)14:00-16:45
場所:YMCAアジア青少年センター http://www.ayc0208.org/2_8/JP/index.html
主催:在日本大韓民国民団中央本部
パネリスト:加藤直樹(フリーライター/「九月、東京の路上で」著者)/明戸隆浩(大学講師/社会学・多文化社会論)/権清志(民団中央本部企画調整室長)

   

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