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障害者と在日韓国・朝鮮人の学習会 ~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告

障害者と在日韓国・朝鮮人の学習会 ~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告 障害者と在日韓国・朝鮮人の学習会 ~多様性を認め合う社会へ向けて~の報告

2018年6月22日(金)韓国中央会館にて障害者と在日韓国・朝鮮人の学習会

~多様性を認め合う社会へ向けて~を開催しました。

 

これまでにLGBTについて2回学習会(報告はこちら:第1回,第2回)を行ってきました。第3回目となる、今回のテーマは、障害についてです。

今回の講演内容は

テーマ:東京都「障害者への理解促進及び差別解消のための条例」の必要性、 条例の制定に向けて当事者団体としてどのような活動を行なっているか

講師:今村登 DPI 日本会議事務局次長、STEP えどがわ理事長

既に障害者の分野では、東京都において「障害者への理解促進及び差別解消のため の条例」の制定に向けた準備が進んでいます。

今回は「どのような障害があっても自分の住みたい地域で自立生活を送れるようにする事」を目指して、 NPO 法人「自立生活センターSTEPえどがわ」を設立、現在理事長をなさり、障害者団体「DPI 日本会議」事務局次長も兼ねる今村登さんが講師をしてくださいました。

先の条例の必要性や、制定に向けて当事者団体としてどのような活動を行なっているかお話を伺いました。

 

「障害は環境にある」という社会モデルの理念を導入し、障害に基づく差別の禁止や排除、隔離のないインクルーシブな社会の実現を目指す「国連の障害者権利条約」をきっかけに障害者差別解消法は成立しました。

しかし差別解消法は差別の定義が不十分で、ひとりひとりの状況に合わせ困難さを取り除くという「合理的配慮」について民間は法的義務ではありません。

また各則がないので差別的取扱いや合理的配慮の具体的内容など盛り込んだガイドラインが必要であり、紛争解決の仕組みが不十分という様々な問題点があります。

その問題点を解消するために条例が制定されつつあるという状況だと学びました。

 

また「障害」、「障碍」、「障がい」様々な表記方法がありますが、「しょうがい」はどのように表記するのがよいのかについてもお話しいただきました。

個人的にもどう表現すべきなのかとても悩ましく思っていたので、「障害」の意味、表記について考えるとても大きな指針となりました。

 

以下朝日新聞社からの質問に対する回答より引用 

DPI日本会議議長:平野みどり

・「障害」は、機能障害を持つ人の社会的な不利は社会のバリア(障壁)によって生じるものであり、その点を象徴する表記として、「障害」を変える必要はないと考えます。

・また、「障碍」は、害ではなく碍にしましょうという議論については、本来は「碍」も仏教語に由来する「障碍(しょうげ)」の語源に関する問題もあるため、いい意味を持つものではないので、あえて「障碍」にする意味はないと思います。

・また、ひらがなの「がい」にすることは、障害者の社会参加の制限や制約の原因が、個人の属性としての機能障害にあるとする個人モデル(医学モデル)に基づくものであり、医学モデルから障害を個人の外部に存在する種々の社会的障壁によって構築されたものとしてとらえる社会モデルへの転換こそが障害者権利条約の根幹でもあることから、賛成できません。

・個人的には、一部の当事者や家族や関係者は、「害」を含む障害に対して、嫌悪感を持つ人もいるようですので、その方々やその方々に配慮して行政が、「障害」ではなく「障がい」を用いることを否定するものではありません。

最後に障害者運動の意味、意義としてお話してくださった言葉は、すべての差別に通ずる印象深い言葉でした。

 

ある社会が、

その構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、

それは弱くもろい社会である

 

Nothing about us , Without us!

「私たち抜きに、私たちのことを決めるな!」

 

【第4回 学習会について】

次回の学習会では、男性・女性・あらゆる性の平等な社会実現に向けて第4世代若手フェミニスト社会派アートグループ団体の方に、女性・性差別に対してどのような活動を行っているか伺います。

是非皆さまご参加ください。

第4回学習会の詳細は→こちら

 

(青年会中央本部)