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第十二期

第十二期 第十二期

21世紀を迎える歴史的な節目に出帆した第十二期執行部は、金昌敏君を首班として山積する種々の課題に取り組みました。十二期では「歴史を伝える運動」、「地方参政権獲得運動」、「2002年韓日架け橋事業」の3つを方針の柱として、在日同胞社会の再編成と真の共生社会の実現、そして韓日の友好親善の発展を目指した活動が行なわれました。

特に、「歴史を伝える運動」は在日を定義付ける歴史性に着目し自己のルーツやアイデンティティーを再考しようと新たに提案され、在日一世をインタビューしながら映像記録を全国的に収集ていきました。2000年度は数地方のモデル地区を設定し試験的に活動に取り組みました。2001年度には全国展開させ、「『歴史を伝える運動』全国キャラバン2001」を実施し46都道府県・331名の在日同胞一世から聞き取り調査をおこないました。激減する一世世代の経験を後世に残す活動として、内外問わず大きな評価を受けました。また、歴史から“自分探し”に取り組む在日三世の姿は、地域社会へのアピールとしても効果を表し、各地方紙で紹介されることとなりました。

「地方参政権獲得運動」では「地方参政権プロジェクトチーム」を開設し、これまで継続してきた運動の再定義をおこない、立法化へむけた働きかけを強化しました。2000年9月の臨時国会に向けては参議院議員への要望書を提出し、東京・文京区にて実施した「地方参政権シンポジウム」で他団体との連携を更に強化するなど、立法化の実現を力強く目指していきました。しかしながら国会審議において反対派の攻勢は厳しく、結果2001年には継続審議とされ、立法化への糸口を模索するに留まりました。 継続方針として取り組まれた「2002年韓日架け橋事業」では、自主応援歌「Friendship・・・友情のゴール」が韓国ソウルのイベントで披露されるなど、韓日両国に渡り草の根レベルで着実に認知を高め、W杯開催までの様々な場面を通して、韓日友好がアピールされることとなりました。

また2001年度には、今後の「組織構造改革」に向けた研究機関である「総合政策委員会」が設置されました。2002年2月の第23回定期中央大会では、在日同胞社会の環境の変化に対応すべく、組織構造の見直しや一元的な方針推進や立案へ抜本的な改革をおこなう提案がなされました。この提案を基にして、この後数年に渡る「組織構造改革と人材育成」の着手が始動されていったのでした。

最後に特記する内容として、2000年6月15日には分断後初の「南北首脳会談」が開催されました。在日同胞の和合は一朝一夕に解決することはできませんが、今後に向けた様々な提案へ対処し、新たな動きを生むことが本会でも議論される契機となりました。