あんにょんブログ - あんにょんブック

2019年11月08日
半歩進む

「ご飯食べてきますね。」 蕨の行きつけのブックカフェで仕事をしている途中、麻辣湯をほっしたわたしはそう言って、自転車に乗った。 つい最近まで、近所に中国料理屋さんがあったのだが、持ち帰り専門になってしまったので、近所にあ […]

2019年09月27日
そこに私は居ません。眠ってなんかいません。

どんよりとした雲がたちこめる梅雨らしい空の下、「降水確率20% 曇り」というスマホの天気予報に不安を覚えつつ、名前と死んだ理由しか知らないあの人の墓へペダルをこいでいた。 墓参りの作法なんて知らないが花は供えたいと思い、 […]

2019年07月26日
希望

 いまから20年以上前のことだ。 小学生だったわたしは年末の買い出しのために、父に手を引かれ、ひとでごった返す年末の上野を歩いていた。公園の階段で似顔絵を描いてくれる絵描きのおじさんの隣にどこから来たのか分からない外国の […]

2019年06月28日
これも文化人類学の思考法

 7年前の正月、例年通り、伯父の家へ挨拶しに行ったときのことだった。日本語で「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」とクンチョルもどきのお辞儀をすると伯父が「ところで、お前はいくつになった?」 […]

2019年05月31日
「女性の物語」だけにしない

「韓国語が出来なければいけない。」 「民族学校に通っていなければいけない。」 「民族名を名乗らなければいけない。」   留学したのに韓国語も苦手で、民族学校にも通えず、日本名を名乗る私はしばしばこんなことばに出くわす。社 […]

2019年04月26日
あの申し訳なさをなかったことにできない

 先日、何人かのひとたちで歌舞伎町の中国料理屋で羊の脳みそを食べてきた。わたしは蕨や川口あたりによくいるので、こういう食べ物は慣れているが、ほかのひとたちは恐る恐る食べながら酒で流し込んでいた。  そのせいか、酔いが早く […]

2019年03月29日
失われたことばを刻む

    私は在日1世のおじいちゃんのものまねが得意だ。とくにしゃべり方が似ていると言われる。彼らのしゃべり方はニューカマーの韓国人たちがしゃべる片言の日本語とは違って、じっとりとした湿っぽさがある。もちろん、個人差がある […]

2019年02月22日
「それ本当なの?」というなかに

 18歳のとき、浪人生だった私は自宅で祖母とすごすことが多く、よく、彼女の昔話に耳を傾けていた。もともと「おばあちゃんっ子」だったこともあるが、祖母の語る昔話は歴史の教科書に出てくるような人の話やその時代を生きていなけれ […]

2019年01月25日
ヴォネガットみたくなりたい

本を出してから、いろいろなひとから「どうやったら物書きになれますか?」と相談されるのだが、正直、どう答えていいのか困ってしまう。  私は大学時代の恩師から「言葉の才能がない。」と言われたぐらいに文章が下手だった。いまでも […]

2018年12月28日
あの生暖かい風はここでも吹いていた

はじめて、済州島へ行ったとき、風の強さに驚いた。 この島へ行く直前、風が強いので普段よりも暖かい格好をするようにと書いてあるブログを読んでいた。 「南の島なのにそんな必要はあるのか?」と思ったけれど、ネットの情報が正しい […]

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