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ソウルへGO!!(2015)

ソウルへGO!!(2015) ソウルへGO!!(2015)

アンニョンハセヨ!

今回は米国の映画ですが、コリアンディアスポラを扱った映画をご紹介します!(広義

に解釈し韓国映画としましょう!笑)

その名も“ソウルへGO!!”です!

邦題はなんだかとっても軽いノリですが、タイトルについては後述したいと思います。

韓国系米国人監督ベンソン・リー監督が自身の実体験をもとに撮った作品です。

映画のあらすじですが…

1986年、海外で生まれ育った韓国系少年少女達がソウルで行われるサマーキャンプに

参加して、自分達のルーツに触れる熱くてまぶしい青春の一夏。(Netflixより)

とNetflixのあらすじを丸パクリしてしまいましたが、つまりこの作品はNetflixで鑑賞可

能となっております!

もう少し詳しく説明すると、アメリカ、メキシコ、ドイツなどから韓国の文化を学びに

きた韓国系の若者がこっそりと酒を飲み、時には喧嘩をし、そして恋をして…という青

春映画です。登場人物の育った国やバックグラウンドがそれぞれ違うため、最初はぶつ

かり合いますが、似たような悩みや傷を持っていることを知り、お互いを理解し始めます。

つまり世界中に渡った韓国系2世の若者達が韓国に母国研修に来る内容となっております。

母国研修や在外同胞研修プログラムで韓国に来た経験のある方はおそらく共感するとこ

ろがたくさんあるのではないでしょうか?ちなみに私は共感しまくりでした。

(夜中こっそり寮から抜け出してお酒を飲みに行くシーンなんて特に。笑)

もちろん誰でも楽しめる映画ですので、経験のある方もない方もぜひ見て欲しいと思います!

この映画は英語のオリジナルタイトルは”Seoul Searching”です。ソウル探しと言う意

味ですが、発音の似ている魂を意味するソウル(Soul)と韓国の首都ソウル(Seoul)をかけ

ているのだと思います。つまりソウルで自分探しということでしょう。

韓国語のタイトルは”서울 캠프 1986 (ソウルキャンプ1986)”となっております。このタ

イトルは韓国のレトロブームを引き起こしたドラマ “応答せよ19〇〇”シリーズに乗っ

かったものだと思います。(ちなみ韓国では新しいレトロということでニュートロとい

う造語も生まれました。) このように英語の原題は自分探しを意識したタイトルになっ

ていますが、韓国のタイトルは時代背景を強調したタイトルです。実際に映画の登場す

る人物のファッションや化粧などはレトロ感が満載です。おそらくアイデンティティク

ライシスや自分探しという経験した人でないとあまりピンと来ないテーマを押し出すよ

りも、流行りのレトロなイメージをタイトルに入れた方が多くの韓国の観客に見てもら

えると判断したのではないでしょうか?

邦題に関してはノーコメントとさせていただきます笑

 

次に出演陣についてですが、その中でも一番有名な役者はチャ・インピョでしょう。

引率の先生役で登場します。他にはドイツ生まれドイツ育ちの韓国人の俳優ユ・テオや

(ちなみにですがドイツには炭鉱労働や看護師として渡った韓国人の2世が多いです。)、

韓国系アメリカ人のジャスティン・チョンなどが学生役で出演しています。

(ちなみにジャスティン・チョンは監督業も行っており、監督兼主演作を務めた”ブルー・

バイユー“という作品が今年公開されました。まだ私も見る機会に恵まれず鑑賞できて

いないのですが、この映画でも韓国系アメリカ人について扱っており、最近気になる映

画の一つとなっております。)そしてアメリカ人の父と在日韓国人の母を持つ日本の歌

手クリスタルKも出演しています。

実際に映画のキャラクターと同じような背景を持っている役者が出演しているのです。

このようなキャスティングが映画にリアリティと深みを与えているのだと思います。

映画の後半に日本から来た高校生との乱闘シーンがあります。

日本の制服を着て日本語を話しているため、最初は日本人の設定だと思いました。

しかし、映画内でチャ・インピョ先生の「君らは歴史を巡り、互いに敵対心を持っている。

ここにいる全員、ルーツをたどれば同じ民族だ。日本人の生徒たちも韓国の血を引いている。

別の国で育ったに過ぎない。」というセリフがあります。

果たしてこのセリフがどこまで意味するでしょうか?

数千年も前の渡来人を意味するセリフなのか?

それとも他の韓国海外同胞よりも早い時代に日本に住んでいる在日韓国人を意味する

セリフなのか?

1986年という背景を考えると、軍事政権下であった当時の韓国に修学旅行に来る学校

はおそらく少なかったことでしょう。(全くなかったわけではないようです。)

もし修学旅行ではないとすると、他に考えられるのは在日韓国人の母国研修です。実際に

私が高校生の時に参加した母国研修では在日は在日だけで集まって行い、他の国からの

海外同胞(韓国系の学生達)は国が違っても一緒に行っていました。(その場合の彼らの公

用語は英語と韓国語になります。)

つまり他の国の韓国海外同胞2世から見ると、1世代、2世代も早く日本に住みつき、

韓国語を話せない世代が多い在日のことをほとんど日本人のようなものだと思っている

のでしょうか?

映画内ではっきりと言及されることはないので真相が分かりませんが、おそらく在日韓

国人という設定なのではないかと私は思います。とまぁこれは個人的な想像なので、判

断は映画を見た皆さん各自に委ねます。好きなように解釈していいと思います。何人で

あれ、喧嘩せずに仲良くやるのが一番ですので。

余談ですがチャ・インピョ先生は「日が差してきた。神から和解しろとのメッセージだ。」という

セリフでこの乱闘騒ぎを締めます。この神というワードはおそらくキリスト教的解釈から

来るものでしょう。海外に移住した韓国人コミュニティの中心が教会であることが多いので。

 

とりあえず今回はここまでです!

それではまた次回!

ジニュン