ノーキッズゾーンは必要?

2019年07月04日

アンニョンハセヨ、インジュです。前回に続き、GWで行ってきた赤ちゃんとの初韓国旅行のことから書きたいと思います。

娘が生まれてから、外出すると赤ちゃんに笑いかけてくれたり、話しかけてくれたりする人が多くて、うれしいなあと思っていました。
そして韓国は日本の比でなく、必ずと言っていいほど声をかけられます。
わざわざ遠くから寄ってきてあやしてくれて、その上に母親(私)まで労ってくれたり、席を譲ってくれたり。
大声で泣いていても、「赤ちゃんだから当然よね」と言った具合でむしろ微笑ましく見てくれている。
上の世代の方が多いですが、若いカップルや特に男性があやしてくれたのには感心しちゃいました。

そしてショッピングモールや百貨店、地下鉄の駅などあちこちに授乳室が完備されていてありがたい!
広々として内装も凝っているし、入口には担当者もいて中を案内をしてくれました。(日本ではあまり見たことないかも)
新世界百貨店には家族みんなで使える広めの部屋や、赤ちゃんのための睡眠室まであってびっくり。
ベビーカーも借りられる場所が多いし、思っていた以上にソウルは便利です。

新世界百貨店本店の授乳室。広くて快適でした!

余談ですが、娘が暑がりなので5月初旬のこの頃、足を丸出しで出かけていたところ、すれ違う全てのアジュンマに「足、足!」と指摘されまして…
急遽、靴下を買って履かせることになりました。
私の両親を見ていても思うのですが、韓国では赤ちゃんになるべく温かく着せる傾向にあるように思います。
米国で出産した友人も、ロシア系のおばあさんに同じように薄着を指摘されたと言っていたので、寒い国の特徴なのかもしれません。
対して日本では厚着は避けるように指導されたので(乳幼児突然死症候群などリスクがあるため)混乱することもありました…

いずれにせよ、そうやって他人の赤ちゃんも気にしてくれるのはありがたいことだなと思います。
日韓を知る母親たちが、時に「韓国の方が子育てしやすい」と言うのはこうした雰囲気のためかなと感じました。

そんな韓国で近ごろ論争になっているのが、「노키즈존(No Kids Zone)」つまり子供お断りのお店についてです。
レストランやカフェで増えつつあると聞いていたので気にしていましたが、今回の滞在中は断られる店はなくてホッとしました。

日本でも高級店だと未就学児お断りだったりしますが、韓国では一般的なお店でもそうした措置をとるようになっているそう。
5月5日のMBCニュースの特集によると、全国で400店以上の店舗が導入。乳幼児だけでなく、13歳以下お断りというお店も登場しています。
有名コーヒーチェーン店のとある店舗でも取り入れた例があったということです(本社の説得によりすぐとりやめたそうですが)
理由は店内で騒ぐ子どもをそのままにしたり、テーブルでおむつを替えるといった一部のマナーの悪い親がいること。また、店内で発生した子どもの事故は事業主に安全責任が問われることも背景にあるといいます。

6月12日付の中央日報の記事「ノーキッズゾーン 客の『権利だ』VS『差別だ』…あなたの考えは?」によると、市場調査専門会社が行ったアンケート調査で成人の66.1%が「ノーキッズゾーンに賛成」と回答。そのうちの54.8%が既婚者だといいます。
「子どもを統制できない親が多い」「客として迷惑や被害をかけられない権利がある」などを理由にあげています。
一方で反対する人は「子どもと親も行きたいお店に行く権利がある」「ノーキッズゾーンは社会的差別になりえる」などと意見しています。

個性的なカフェなど飲食店が人気を集めている済州島で、特にノーキッズゾーンが増えているといいます。
そんな中で、済州島に住む11歳の少年のSNSが話題になりました。
「弟の誕生日に家族でステーキを食べに車で1時間かけて行ったが、ノーキッズゾーンのレストランだったため、仕方なく帰ってきた」と投稿。
「大人が楽にしていたいというその権利より、子どもたちが店に入れる権利の方が重要だってこと、大人たちは忘れているようだ大人も一時は幼い子だったということを」と訴えました。

私も実は子どもができる前は、交通機関や飲食店での子どもの泣き声にうんざりしてしまうタイプでした。
娘と一緒に行動するようになり、あの頃は本当に理解がなかったと反省しきり。11歳の少年の投稿にも申し訳ない思いです。

先ほどのアンケート調査では、ノーキッズゾーンの拡大を積極的に望む声は少ないという点も指摘されました。
導入の必要性に共感しつつも、「一部の子どもや親のせいですべての子どもの立ち入りを制限するのは問題がある」(53.2%)としており、社会全般にあまりにも導入が拡大することには警戒する声も多く見られました。
また、子ども歓迎の「예스키즈존(Yes Kids Zone)」も増えているということです。

赤ちゃんと初めての韓国旅行を無事に終えて、周囲のママたちに子連れ韓国旅行をすすめている私。
ノーキッズゾーンが広がって、ガイドブックにも必ず注意書きがされるような未来は避けたいと願っています。

 

(アン・インジュ)

1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。日本の全国紙に勤務。韓日ダブルの娘の子育て中。

   

ページトップへ