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第七期

第七期 第七期

第七期の金京必会長は、前年度強力に進めてきた署名活動の成果である署名簿の本国伝達「4・23行動」を始めとした「91年韓日法的地位再協議問題」に力量を傾注しながら、併せて残り10年後と迫る21世紀に向け、青年会の真の姿である大衆団体たる原点を見つめ、大衆基盤の拡大を掲げました。そして8月三重県において開催した“ザ・ちゃんち”には、全国から1500名の青年が参集するなかで、21世紀のビジョンを提示しました。また、この年から民団主催の「青少年故郷訪問団」にも積極的に参与し、大衆基盤の拡大に努めたのです。

 一方、時限的な韓日法的地位再協議は、91年1月初旬、日本国首相の韓国訪問による中途半端な解決が予想されるなか、年末・年始を通して様々な活動を展開しました。ビラ配付による情宣活動を始め、自動車デモ、そして海部首相の訪韓時期に合わせ、東京数寄屋橋にて「ハンガーストライキ」(1/5~10)を行うなど、精力的に問題を世論化させ訴えました。青年会結成当時から取り組んできた再協議は、1月10日に周知の通り、当時の盧泰愚大統領と海部首相によって交わされた「韓日間の覚書」で、不本意ながらも一定の決着を見ました。しかし、この覚書のなかで日本政府が我々在日韓国人の存在を初めて隣人として認め、共存、共栄の意志を明らかにしたことによって、本会のこれまでの取り組みの成果を確認することができたのです。

 1991年、第12回定期中央大会では、再協議の一定の終結により、取り組みを未来展望に立った「創造型」、現在の内実化作業に重点を傾けます。青年・組織・社会の3つの内実化によって民族主体性のある在日同胞青年の輩出、住みよい社会構築、強靱な組織の確立を目指した内実化作業を本格的に展開していくのです。

 また、この年千葉の幕張メッセで開催された「世界卓球選手権大会」は、分断後初の南北単一チーム「コリアチーム」が参加することを受け、本会と朝青による単一応援団を構成し応援にあたりました。祖国分断から40年を経て、結成された悲願の単一チームの合同応援を通して、祖国のイデオロギー分断から、常に「見えない38度線」により遮断されていた朝青と、イデオロギーを超えた民族としての同一性が確認されたといっても過言ではありません。
 この大会を通して本会は、「和合」への可能性を見出し、その後の「和合」への取り組みへと発展するのです。