在日青年のための

国際結婚

簡単手続きガイド
(14号掲載)

「国際結婚」というと何か仰々しく感じがしませんか?。古くは布施明とオリビア・ハッセー。最近ではジャン・アレジと後藤久美子といったとように、どうも西洋人と日本人が結婚しないと使ってはいけないようなイメージを持っている人も少なくないでしょう。しかし、国際化の波が押し寄せるこの日本には、現在145万人もの外国人が定住しており、それに伴う国際結婚の数も急増しています。 

その定住外国人の約半数、65万人を占める私たち在日韓国・朝鮮人の若い世代においても、日本人と結婚する割合が増えています。統計調査などを見ても、約87%の在日韓国人青年が日本人と結婚しているという結果が出ています。

現在、在日韓国人青年の多くは「永住者の配偶者等」(永住者、協定永住者や戦前から日本に居住する朝鮮半島、台湾出身者の配偶者または子)という在留資格を持っています。従って「永住権」は持っていても「日本国籍」は持っていないので、日本人との結婚は当然、「国際結婚」ということになります。

しかし、日本で生まれ育ち、生活を営む多くの在日韓国人青年にとって「日本人との結婚」=「国際結婚」という図式はあまり馴染みのないものでしょう。そのため、いざ結婚するという段階になって大慌てで資料を集めたり、手続きを行ったりする人が大半です。ただでさえ、在日韓国人青年と日本人との結婚というと「親の問題」「国籍の問題」「祭祀(チェサ)の問題」など、色々な問題をクリアしなければならない状況が多々あり、男女とも非常にナーバスになるものです。

それらの障害を乗り越えやっと結婚まで辿り着いたと思ったら、「手続きのことでトラブルを起こして喧嘩となり結婚が流れた」なんて泣くに泣けない話もよく聞きます。

在日韓国人青年と日本人の「国際結婚」においては「どこで結婚するか?」「(男性と女性)どちらが韓国人か?」「どんな書類が必要か?」「(日本と韓国の)どちらに先に手続きをするのか?」「結婚後の国籍はどうなるのか?」というのが非常に重要となります。が、今回のアンニョン第14号では、日本で先に婚姻届を提出して結婚する場合の手続きについて簡単な流れを特集してみました。

Action 1 まず最初に

これから「国際結婚」の手続きを始めるわけですが、結婚に関する法律は国によって違います。したがって、在日韓国人青年は韓国の法律、日本人は日本の法律に従わなければ婚姻が成立しません。そして韓国と日本、どちらに先に婚姻届を提出するかで必要となる書類も違ってきますので注意が必要です。今回のアンニョンでは、先に日本の役所に婚姻届を提出し、日本での婚姻が成立したあとに韓国の役所に婚姻届(日本での結婚証明書)を提出する方法のみを紹介します。

●結婚までの簡単な流れ

結婚の要件を満たしているかチェック

日本の役所に婚姻届を取りにいく

婚姻に必要な書類を入手する

婚姻と必要な書類を役所に提出

婚姻届が受理されたら韓国の役所に提出

韓国の役所でも婚姻届が受理されたらすべて完了

(子供を含めた)国籍の問題などを処理

「結婚しよう!」と話が決まったら、まずは落ち着いて両人が、婚姻成立要件を満たしているかどうか確認しましょう。

■日本の婚姻成立要件

■韓国の婚姻成立要件

@男性は十八才以上、女性は満十六歳以上であること。

A重婚ではない。

B再婚禁止期間(女は前婚の解消から六ヶ月後、もしその前から懐胎していればその出産まで)を過ぎていること。

C近親婚でないこと。

D直系婚族の間ではないこと。

E養親子関係ではないこと。

F未成年者の場合は父母どちらかの同意を得ること。

 

@当事者の間に婚姻の意志がある。

A男性は十八才以上、女性は満十六歳以上であること。未成年者(二十才未満)は父母の同意が必要(どちらか一方でもよく、両方ができないときは後見人の同意が必要)

B禁治産者の婚姻は父母または後見人の同意が必要。父母や後見人の同意がないときは親族会の同意が必要。

C重婚ではない。

D女性は再婚禁止期間(六ヶ月)を過ぎていること。

E近親者ではない。

F 同姓同本ではない(姓及び本貫をともにする父系血族ではない)

 

Action 2 必要書類をそろえて役所に提出!

婚姻成立要件をチェックしたら、それを証明する書類(韓国人は韓国の戸籍謄本、日本人は日本の戸籍謄本)など、必要書類に婚姻届に添えて市区町村の役所に提出します。特に在日韓国人の場合、韓国の役所から自分の戸籍謄本を取り寄せて、日本語に翻訳したものを提出しなければ受理されません。かなりの日数が掛かりますので注意しましょう。

 

■結婚の手続きに必要な書類は?

@「婚姻届け書」・・・・・市区町村の役所にあります。結婚の証人(友人や家族でも可)として成年に達している人2名の署名と捺印が必要です。

A「婚姻要件具備証明書」・・・・・在日韓国人が日本人と結婚する場合、韓国法における結婚の要件を満たしているかどうかを証明する文書(簡単に言うと韓国の戸籍謄本)が必要です。これは、最寄りの民団で調査して出してくれます。しかし、 本国から取り寄せた書類は韓国語で書かれているので、日本の役所に提出する場合、必ず翻訳したものを添付する必要があります。

B「戸籍謄本」・・・・・・日本人の場合、婚姻要件具備証明書の代わりになります。

C「パスポート」・・・・・外国人の国籍確認などのため。

 

届け出の書類の中で最も問題になるのが「婚姻要件具備証明書」です。在日韓国人の若い世代の中には、両親が日本の役所に婚姻届や出生届を提出しただけで、韓国の役所に届け出をしていないため、韓国の戸籍謄本に記載されておらず、戸籍謄本が発行されないことがよくあります。

その場合、「婚姻要件具備証明書」が発行されない理由や、確かに結婚の条件を満たしている旨を書いた文書を「婚姻要件具備証明書」の代わりにすることができます。これを「申述書」といいます。但し、「申述書」を役所に提出する場合「外国人登録済証明書」を求められるときがあります。

上記の書類を本籍地のある市区町村に提出すれば、日本側での婚姻は成立。

韓国の役所に婚姻申告書と日本で発行された結婚証明書を提出します。

韓日両国で婚姻届が受理され「国際結婚」が成立。

CONGRATULATION!!

 

Action 3 必要書類をそろえて役所に提出!

無事に国際結婚が成立したら、次に問題となるのが国籍です。在日韓国人青年が日本人と結婚した場合、「夫が韓国籍で妻が日本籍」と「夫が日本籍で妻が韓国籍」の両方が考えられますが、このうち、「夫が韓国籍で妻が日本籍」のパターンで韓日両国の役所に婚姻届を提出して受理された場合、韓国籍の夫の戸籍(本国の)に妻も記載されることになるので、その妻は自動的に韓国籍を取得することになり二重国籍となります。

 

夫が日本籍で妻が韓国籍の場合

夫が韓国籍で妻が日本籍の場合

この場合、日本の国籍法では外国人と結婚しても日本人の国籍はそのままで、相手の外国人が日本の戸籍に入ることもありません。。したがって、夫は当然日本国籍、妻は韓国籍のままということになり、日本人の夫と結婚したからといって日本国籍になることはなく、彼の戸籍に入ることもありません。

ちなみに、日本籍の夫の戸籍謄本には身分事項欄に「○○と結婚した」という事実のみが記載されることになります。

韓国の国籍法というのは父方の血統だけを伝える「父系優先血統主義」を採用しています。そのため、韓国の役所にも婚姻を提出した場合、夫の韓国の戸籍には日本籍の妻の名前も記載されることになり、自動的に韓国籍を取得することになる。つまり日本籍を持ちながら韓国籍も取得する二重国籍となるのです。

しかしこの場合、結婚後六ヶ月間そのままにしておくと妻の韓国籍は自動的に失われることになり、日本国籍だけが残ります。したがって、韓国籍を持った夫と結婚した妻が韓国籍を選択する場合、結婚後六ヶ月以内に所定の手続きをした方が便利です。

 

 

夫が韓国籍で妻が日本籍の場合、妻の名字はどうなるのでしょう?。

以前は、妻の戸籍上においては「○○と結婚した」という事実が記載されるだけで、夫の戸籍に入るわけではないので、名字もそのままでした。

しかし、1985年の戸籍法改正から、自分の戸籍の氏を韓国籍の夫の氏に変更することが可能になりましたので、六ヶ月以内に「外国人との婚姻による氏の変更届」という届出用紙を最寄りの役所の戸籍係に提出しましょう。

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