在日韓国人青年の海外赴任日記6-海外で働くうえでの教養-

2018年08月09日

海外赴任中の在日韓国人青年のユインです。

今日は、海外で働くうえで僕が必要だと思っている「教養」を紹介しますね。

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目次

■英語に加えて現地の言葉を少しでも覚える

■色んな宗教の理解を深める

 

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■英語に加えて現地の言葉を少しでも覚える

日本語が公用語になっている国は日本だけなので、やはり海外で働くとなると英語は必須になると思います。僕も職場やお客様とのコミュニケーションはほとんど英語です。(相手が日本人だけだったりすると、もちろん日本語での会話になりますけどね。)

 

僕が赴任している香港では、英語が公用語になっていますが広東語も同じく公用語です。ほとんどの場面で英語が通じるのですが、ごく稀に広東語しか通じない場面があります。また、多くの香港の方々は広東語を大切に思っているそうです。そういうわけで、僕はいま広東語の勉強真っ最中です。簡単な挨拶や数字を読むことはできるようになってきましたが、なかなか難しい…。広東語のレッスンの度に脳みそが溶けそうになっています…(笑)

 

また、赴任先の香港から海外出張に行くこともしばしば…。東南アジア方面が多いのですが、出張先でそれぞれの現地語がありますから、簡単な言葉は覚えるように努力しています。挨拶やタクシーで道を伝える表現、あと領収書の発行をお願いする表現など…。領収書もらわないと経費精算できませんからね。(笑)

片言や単語レベルでも現地の言葉を使うと、相手が微笑んでくれることが多いような実感を持っています。

自分が逆の立場だったら、確かにそうですよね。外国の方が、片言の日本語や韓国語で話し掛けてきてくれたら僕もニコっとしていると思います。

 

これは僕の経験上の実感なのですが、日本人の多くは海外でも日本語で押し通す方が多いような印象を持っています。英語を話される方もいらっしゃるけれど,それほど多くはない印象です。英語以外の現地語となるともっと少ない印象を持っています。(香港で一緒に働いている日本人の同僚も同じ感覚のようです。)そのため,現地の方とのコミュニケーションに通訳を設けている方もいらっしゃるようです。日本語で怒鳴りながらクレームを叫んでいた方を見かけたことがありますが、当然ながら現地の方にはまったく伝わっていないように見えました…。

 

一方で、これも僕の経験上ですが韓国人の多くは英語や現地語を学ぶことに意欲的な方が多いような印象を持っています。僕も、どちらかというと韓国スタイルなんでしょうか…?(笑)
でも、勘違いしないでくださいね。日本人でも英語や現地語を流暢に駆使する人もいれば、韓国人でも外国語のコミュニケーションに苦労している人も見かけます。

 

どちらが正解というわけではないと思いますし、その人のコミュニケーションスタイルや方針があると思いますので、それをとやかく言うつもりも無いのですが、それでも僕はできれば通訳を通したコミュニケーションはしたくないと思っています。やはり、他人というフィルターを通すことで伝えたいことが部分的にしか伝わらないと思いますし、自分が言葉に込めた感情までを通訳者が表現できるとは思えないからです。

 

■色んな宗教の理解を深める

 仕事より何よりも宗教が優先される。そんな国や地域があることを、皆さんは想像できますか?

 

 日本はよく宗教に寛容な国だと言われますよね。寛容というよりも、僕の感覚では「良くも悪くも関心がない」というのが実感です。以前、世界的に活躍されているハンガリー人の方の講演を聞いたときに、「世界はもっと日本の宗教感覚の曖昧さに学んだほうが良い」と仰っていたことがありますが、とはいえ海外に出てみると宗教の知識と理解は不可欠だと実感します。

 

 在日韓国人には熱心なクリスチャンの方も多い印象を持っていますが、皆さんはどうですか?僕はいまのところあまり特定の宗教に熱心なわけではないのですが、中学はお寺の学校に通っていましたので仏教は比較的身近に感じています。また大学時代には、尊敬してやまないアメリカ人の教授から「キリスト教の信仰に関わらず、聖書は読んだほうがいい。聖書以上に世界中で超ベスト&ロングセラーになっている本はないのだから。世界中の多くのビジネスマンは聖書を読んでいるから、少しでもかじっていれば立派な教養だし,共通の話題にもあるよ。」と言われ、聖書を読んでいたのでキリスト教も僕にとってはまた身近な存在です。

 

 ところで,僕はこの記事を書いている今月(5月)のほとんどを、東南アジアの某国で過ごしています。(なんと出張期間が合計で3週間…!)この国ではイスラム教を信仰している人がほとんどです。そして、なんと出張期間の後半にはラマダンが始まりました。みなさん,イスラム教については中学校や高校で習っていて少しはご存知ですよね?イスラム教では一日に数回、お祈りを捧げなくてはなりませんし、食べられないものもあります。そして、ラマダンというのは日中の断食期間です。

 

僕も、これくらいの知識はあったのですが、いざ現地の方と一緒に仕事をしていると、いろいろと気遣う必要性を強く感じました。打ち合わせ中や急ぎの作業に取り掛かっていることがあっても、彼らにとってはお祈りは何よりも優先事項です。(職場の中にモスクと呼ばれる礼拝所があったり、街中にお祈りの時間を告げる音楽が鳴り響くこともあります。)

ということで彼らのお祈りの時間をなるべくその時間帯を外して打ち合わせを設定する。打ち合わせの途中でも、お祈りの時間になったら打ち合わせを中断する。これくらいの配慮は序の口です。

 

ラマダン期間中、彼らは本当に辛そうです。水も飲めないし、厳格な人は唾液すら吐き出すそうですから…!日中の気温が35℃を平気で超えるこの国で、日中飲まず食わずというは本当に想像を絶する辛さです。僕だったら冗談抜きで熱中症で倒れるかもしれません…。

屋外で働く人はさらに過酷だと思います。非イスラム教徒は断食に従う必要は無いにしても、やはり断食している人の横で水を飲んだり、食事やお菓子を食べたりすることは憚られます。自分が逆の立場だったら、すぐ傍で飲み食いして欲しくないですものね。

 

ということで、僕は食事時には他の現地の非イスラム教徒の人とソッと食事に出掛け、水を飲むときには見えないところに行って飲んでいます。こういう配慮は知識がないとできないことだと思いますし、そういう配慮の人達と信頼関係を築くために必要なことだと実感しています。

 

ところで、ムスリム(イスラム教徒)の人たちは日没後に飲食ができるようになります。あるムスリムの人と2人で打ち合わせをしていたときのこと、日没時間になったので僕が「ちょっと休憩にしようか」と伝えると「じゃあ食事で外しても良いですか?」と疲れ切った表情で返事がありました。

そして当然ながら快諾すると、彼はまず僕の目の前でとても美味しそうに水を1杯飲みほして部屋を出ていきました。

半日飲まず食わずで過ごした後の、その1杯の水がどれほど美味しかったのか、僕は想像することしかできませんが、きっと僕の想像を遥かに超える至極の1杯だったのだろうと思います。

ムスリムの方の演奏(画像はイメージです)

余談ながら、皆さんは「デーツ」をご存知ですか?日本語では「ナツメヤシ」と呼ばれています。イスラム教では神の与えた食べ物だそうです。夕方の断食終了後、打ち合わせを中断して食事を終えたムスリムの方が返ってきた際にデーツを手に戻ってきました。自分が持参して食事として食べていたデーツを僕のために残しておいてくれたというのです。(日中断食していた方から食べ物をもらうのは何だか申し訳なく…それでも「ぜひ試して!」と何度も言ってくれるので、ありがたく1ついただいてみました。)ねっとり甘くて美味しい!
ぜひ、みなさんもデーツ見かけたら食べてみてくださいね。

こういう色々な宗教の方と付き合うのも、海外で働く楽しみの一つだと思うようになってきました。相手を不快にさせないようタブーに気を付けながら、色々な人との交流を楽しみたいと思います。

 

(ユイン)

   

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